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試用環境(Sepolia)の点検 — 2026 年 9 月 26 日 ​

試用環境を画面で通して確かめました。目録を開く、資料を開く、無償の分析を 1 回動かす。 問題が 3 つ見つかりました。2 つは直しました。残る 1 つは Ocean Protocol の設計に由来するもので、アーカイブズにとっていちばん重要です。

ポータル(画面)cliox.ldas.jpVercel
↓ 問い合わせる
ノード(目録・受付・計算)cliox-node.ldas.jpmdx の仮想マシン
subgraph(取引の索引)cliox-subgraph.ldas.jp同じ仮想マシン
↓ 読む
公開の台帳Sepolia(試験用)Ethereum のテストネット
  • ノード: 台帳を読んで資料の目録を作り、ファイルの請求や計算ジョブの受付もするサーバ。
  • subgraph: 台帳の取引記録(誰が登録・請求したか)を、検索しやすく整理したもの。
  • 索引づくり: ノードが台帳を古い順に読み、目録に資料を入れていく作業。

結果 ​

点検したもの結果
subgraph が台帳に追いついているか問題なし。止まって見えたのは、進み具合の表示が出来事のあるブロックでしか動かないため
ノードの索引づくり問題 1 — 解決
ポータルの資料一覧問題 2 — 解決
以前登録した試験用の資料 29 件問題 3 — 事実上取り戻せない
無償の分析 1 回同じ日に、新しく登録した資料で完了

問題 1  ノードの索引づくりが空回りしていた ​

症状。 資料一覧が 0 件。資料のページは「見つかりません」。

原因。 ノードと、その中のデータベースが同時に起動しました。 ノードは準備中のデータベースに問い合わせて失敗し、目録を入れる場所を作らずに先へ進んでいました。 そのため「どこまで読んだか」を保存できず、約 90 秒ごとに最初から読み直していました。

対応。 ノードを再起動しました。再発防止に、データベースの準備を最大 2 分待ってから起動するようにしました。

根の深さ。 Ocean Node 本体の不具合です。自分でノードを建てた人だけが出会う問題で、Clio-X 固有ではありません。

問題 2  ポータルの問い合わせ方がノードと合っていなかった ​

症状。 目録ができても一覧は 0 件のまま。「compute」で絞り込むと必ず 0 件。

原因。 Clio-X の画面は、Pontus-X が使っている旧来の目録サーバ(Aquarius)を前提に作られています。新しいノードは同じ形の問い合わせに空を返します。 回避の仕組みはありましたが、接続先が開発者の手元の PC のときしか働いていませんでした。

対応。 接続先がノードなら回避の仕組みが働くように直し、資料のサービス(1 件に複数ある)の中までたどれるようにしました。 絞り込みごとの件数が、ノードから直接数えた件数と一致しました(compute 4・download 9・datasets 4・algorithms 5)。

根の深さ。 今は隠れている問題です。Ocean Protocol は旧来の目録サーバを新しいノードに置き換える方向です。Pontus-X が置き換えた時点で、本家の Clio-X でも同じ「0 件」が起きるはずです。

問題 3  以前登録した 29 件が、どれも目録に出なくなった ​

症状。 2026 年 8 月 10〜13 日に登録した試験用の資料 29 件が、目録に 1 件も出ない。

原因。 資料を登録すると、ノードが説明とファイルの所在を封印します。 台帳には、封印したものと一緒に、封印したノードの住所が残ります。 目録に資料を出すには、その住所に開封を頼む必要があり、ほかの手段はありません。 29 件の住所は、手元の PC(12 件)と、9 月 5 日に閉じたクラウドのサーバ(16 件)でした(1 件は住所の記録なし)。 どちらももう応答しません。クラウドのサーバの鍵は手元に残っていて、新しいノードも同じ鍵を使っています。それでも役に立ちませんでした。目録が頼みに行くのは鍵の持ち主ではなく、記録された住所だからです。

対応。 取り戻す作業はしていません。試験用なので、新しく登録するほうが早かったためです。

根の深さ。 Ocean Protocol の設計そのものです。資料は、登録に使ったノードに結び付いたままになります。 長く残すことを仕事にするアーキビストにとって、機能の説明より先に知っておくべき性質です。

問題 3 への対策 ​

種類内容状態
これから防ぐ住所を機械の番号ではなく名前(cliox-node.ldas.jp)にする。名前なら新しい機械に向け直せる。ノードの鍵を保管する。この 2 つがそろえば、ノードを引っ越しても資料は消えない対応済み
取り戻す資料の持ち主のウォレットは説明を書き換えられる。新しいノードで封印し直せば、識別子と履歴を保ったまま戻せる推定・未試行
Clio-X の仕組みで防ぐ説明を封印しない登録。目録はもともと公開するもの。封印するのはファイルの所在だけにする試作に着手(中断中)
Clio-X の仕組みで防ぐ加盟の条件として、名前の住所と鍵の保管を機関に求める相談
Clio-X の仕組みで防ぐ機関のシステムを正本とし、Clio-X は公開の窓口と位置づける相談
Clio-X の仕組みで防ぐノードを閉じるとき、資料を別の機関のノードへ移す決まりを作る相談

アーキビスト向けの覚え書き: 登録に使ったサービスが無くなったとき

中村 覚(東京大学、UBC 滞在中)による個人の記録です。Clio-X や Ocean Protocol の公式サイトではありません。